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ハステロイってどんな材料?
 
 
てつお「今日はハステロイについて調べよう!」
 
てつこ「そもそもハステロイが何かは知ってる?」
てつお「う~ん、硬くて削りにくい…難削材という事しか…」
 
てつこ「ハステロイっていうのは、そもそもヘインズ社(HAYNES International)の商標なの。ニッケルを主成分とする合金で、成分の違いによってX、 B、 C等に分かれているわ」
てつお「ヘインズ社がニッケルを主成分にして作った、新素材って事だね!」
 
てつこ「そうよ。析出硬化型のニッケル基合金で、耐食性合金の一種でもあるの!」
てつお「せきしゅつ・・・?たいしょく・・・?」
 
てつこ「析出硬化っていうのは、固体の内部で組成・構造の異なる新しい相が形成される事で、合金が硬化する現象の事よ」
てつお「ふむふむ」
 
てつこ「耐食性合金は、通電やメッキなんかの特別な処理を行わなくても錆びにくい合金の事ね」
てつお「なるほど~!」
 
てつこ「ハステロイの中でもB・Cタイプはその耐酸性の高さから、化学処理業界で広く使用されているわね」
てつお「航空機業界は?」
てつこ「航空機業界では、ガスタービンエンジンなんかに、耐熱性の高いS・W・Xタイプが使われているわよ」
てつお「そうなんだ~。でも、錆びにくいし熱にも強いし硬いんだよね?」
てつお「じゃあ、全部ハステロイで作っちゃえば良いじゃん!」
 
てつこ「・・・」
てつお「・・・」
てつお「あっ!難削材だから、そんな事したらとんでもないコストがかかっちゃうんだ」
 
てつこ「それだけじゃないわよ!ハステロイは物理的強度やクリープ強度、疲労強さは特別強いわけじゃないから、構造材には向かないの」
てつお「・・・クリープ?」
 
てつこ「クリープっていうのは、一定の大きさの力が加わっている時、時間が経つにつれて材料の変形が増大していく現象よ」
てつお「・・・?」
 
てつこ「例えばゴム紐におもりを結び付けてつり下げた時、ゴムは一気に伸びるわよね」
てつお「うん」
 
てつこ「それで、そのまま放置するとゴムはどんどん伸びていくわよね」
てつお「うん!放置するとビロビロになる!」
 
てつこ「一定の熱と力を加え続けた時に、力が加わった際の変形だけにとどまらず、どんどん変形していっちゃう事をクリープって言うのよ」
てつお「なるほど~!だから負荷がかかり続けるような場所には適していないんだね!」
てつこ「そういう事!」
てつお「じゃあ、次はハステロイがどうして削りにくいかについて教えて欲しいな」
 
てつこ「そうね…。ハステロイが削りにくい理由は、①高温強度が大きい、②加工硬化が生じやすい、③工具との親和性が大きい、④熱伝導率が悪いという、4つが主な理由として挙げられるわ」
てつお「高温強度…?」
 
てつこ「説明してなかったわね。高温強度っていうのは、高温の状態での材料の強さの度合いのことなの」
てつお「高温強度が大きいと、熱を加えても強さが変わらないから削りにくいって事だね!」
てつこ「その通りよ!他はこの前教えたから、分かるわよね?」
てつお「えーっと…。加工硬化が生じやすいって事は、削れば削る程、材料が硬くなっていっちゃうんだよね。で、工具との親和性が大きいから、工具が材料と癒着しやすいのか…。それで、熱伝導率が悪いから、加工箇所が高温になりやすいんだな」
 
てつこ「つまり?」
てつお「工具が摩耗したり癒着したりして、すぐダメになる!だから、こまめに工具を変えたり冷却しないと、切削面がボロボロになっちゃう!?
てつこ「そういう事ね!ちゃんと分かってて良かった!」
てつお「今回教えてもらった事をまとめると、ハステロイは、削るのがとても難しいし、構造材には使えないっていうデメリットがあるけど、熱や酸にすごく強くて、それを必要とされる製品には欠かせない材料なんだね!」
 
てつこ「メリットは、他に、鍛造性や溶接性の良さなんかもあるから、忘れずにメモしておいてね」
てつお「はーい!」
 
 
けんさくの補足説明
 
  けんさく
てつこさんとてつおくんの会話から分かるように、ハステロイは難削材の中でも加工が難しい部類の材料ですぞ。
他の材料と比較してどれくらい難しいかは、被削性指数を見ると分かりやすいと思うであります。
 
(被削性指数というのは硫黄快削(AISI‐B1112)鋼を削って、一定の工具寿命に対する切削速度を100と、比較する工作物材料の同一工具寿命に対する切削速度を百分率で表したものですぞ。)
 
被削性指数を見てみると、ねずみ鋳鉄110、炭素鋼55~70、ステンレス鋼50に対して、ハステロイは10や12なのでとても削りにくいですぞ。
ちなみに、ねずみ鋳鉄というのは工具をサクッと入れると鉛筆の削り粉みたいなのがサクサク出てくる、すごく削りやすい材料であります。
 
 
小坂鉄工所では、こういった問題点を、現場の技術や生産技術で克服し、たくさん加工しておりますぞ。
 
株式会社小坂鉄工所
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